【第1部 経営改善計画策定支援】(ガイドラインに基づく計画策定支援を除く)

1.事業概要

 事業者が、外部専門家(認定支援機関)の支援を受けて「経営改善計画」を策定する場合、計画策定費用(専門家への支払い費用)の3分の2(上限300万円(計画策定に係る費用上限200万円、伴走支援に係る費用上限100万円))を国が負担する事業です。

2.事業の目的

 財務上の問題を抱え、金融機関から返済条件の緩和等の金融支援を受けようとする中小企業・小規模事業者が、外部専門家の協力を得て「経営改善計画」を策定、実行することにより経営改善、事業再生、再チャレンジを促します。

3.対象事業者

 借入金の返済負担過大等、金融支援を必要とする状況にあり、自力では経営改善計画書の策定が難しいものの外部専門家の策定支援を受けることにより、金融機関からの条件変更や新規融資等を受けることが見込まれる中小企業・小模事業者。

  • 個人事業主の方は対象となりますが、社会福祉法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、農業組合法人、農業協同組合、生活協同組合、LLP (有限責任事業組合)、学校法人は、制度対象外となります。
  • 農業や漁業など1次産業の事業を行っている事業者も、中小企業に該当する場合は対象となります。
  • 1行取引で、信用保証協会保証付き借入が無い場合(プロパーのみの場合)は、利用できません。

4.金融支援の有無

 本事業における金融支援とは、条件変更等と融資行為(借換融資、新規融資)を指します。金融機関からの金融支援を予定している、または既に支援を受けており引き続いて支援を受けようとする場合が対象となりますが、金融支援を必要としない事業者は、本制度の対象となりません。

5.認定支援機関

 平成24年制定の「中小企業経営力強化支援法」に基づき、中小企業に対し専門性の高い支援業務を行う者。金融機関や商工会議所などの他、税理士、中小企業診断士、公認会計士等の専門家で、専門的知識と実務経験を有するものとして国が認定、本事業においては事業者の依頼により経営改善計画策定の支援や金融機関との調整支援、計画策定後の実施状況のモニタリング(原則3年間)の役割を担います。

「経営改善計画策定支援」 よくあるご質問 (FAQ)

【支援内容】
この制度において支援の対象となる費用はどうなっているのでしょうか?

 外部専門家による経営改善計画策定支援に係る費用 (計画の策定費用、モニタリング費用、事業DD費用、財務DD費用、金融調整サポート費用 (全て消費税込み))の2/3 (ただし上限300万円)の支援を受けることが可能です。

【支援対象事業者】
支援を受けるための条件はあるのでしょうか?

(1)対象事業者

 個人事業主は支援対象ですが、社会福祉法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、農業組合法人、農業協同組合、生活協同組合、LLP (有限責任事業組合)、学校法人は、この制度による支援の対象外です。また、上記記載以外にも支援対象とならない業種もありますので、個別に支援センターに問い合わせください。なお、「医療法人 (「常時使用する従業員300人以下」に限る)は、当該制度の支援対象です。

(2)金融支援の有無

 申請日現在、金融支援を受けている事業者が引き続き支援を受けようとする場合、又はこれから金融支援を受けようとする場合が対象となります。金融支援を必要としない先は対象となりません。

(3)1行取引の事業者

 1行取引であっても、信用保証協会保証付借入がある場合は、信用保証協会による保証債務履行の前後にかかわらず利用できます。一方で、1行取引で、信用保証協会保証保証付き借入が無い場合(プロパーのみの場合)は、利用できません。

(4)税金や社会保険料の滞納がある場合

 税金や社会保険料の滞納がある場合であっても、当局(国税局等)と相談の上、滞納解消に向けて取り組んでいる場合等は、本事業の対象となる可能性があります。

(5)県からの出資が50%を超えている場合。

 地公体の出資比率が50%を超える中小企業者は本事業の対象になりません。

(6)大企業である親会社から出資を受けている場合

 出資割合が100%の場合を除き、本事業の対象となります。

(7)創業後の営業実績等について

 創業後12か月以上の営業実績があり決算を経ていれば対象となります。(ただし、一事業年度で12ヶ月の決算を実施していることが必要です。)
これに該当しない事業者であっても、法人設立前に個人事業主として同様の事業を継続して12か月以上行っていた場合は、本事業の対象となります。ただし、実績を無証明する確定申告書等を提出できる場合に限ります

(8)金融機関の同意書について

 本事業は、補助金執行上、中小企業・小規模事業者が金融機関に経営改善計画書を提出し、原則として取引のある全金融機関からの同意書又は同意確認書を取り付けることが必要です。

【支援対象事業者】
1行単独取引でも利用できますか?

 1行取引であっても、信用保証協会保証付借入がある場合は、信用保証協会による保証債務履行の前後にかかわらず利用できます。一方で、1行取引で、信用保証協会保証保証付き借入が無い場合(プロパーのみの場合)は、利用できません。

【対象とならない計画等】
本事業の対象とならない計画などについて教えてください。

 例えば、以下の場合は、本事業の対象にはなりません。
 なお、利用申請時に、本事業の対象となる可能性がある場合は、利用申請は妨げられませんが、結果として対象とならなかった場合には、本事業の支払を受けることはできず、支払われた後に発覚した場合は返還する義務を負う可能性があることを、ご注意ください。

①実務指針に著しく逸脱している計画
(例) 実務指針に示される実務や着眼点に沿った支援が行われていない

②金融支援の内容が、具体的かつ確定的に定められていない計画 (見込みや抽象的な記載ではなく、具体的な金融支援の内容が計画に明記されている必要がある。)
(例) 見込みや仮定による前提条件の下での金融支援のみの計画 (資金繰りが逼迫した場合には返済を1年間据置する/○○の結果、月次試算表ベースで黒字となれば設備に係る新規融資を実行する 等)

【複数回利用についての取扱い】
本事業を複数回利用することは可能でしょうか?

 原則として複数回利用することはできません。
 ただし、新型コロナウィルス感染症、ウクライナ情勢又は原油価格の高騰等によって影響を受けて業況が悪化した事業者については過去に本事業(通常枠又は中小版GL枠)を利用していても複数回の利用を認めています。
その場合、過去の本事業利用時における費用負担実績を引継ぎ、複数回の利用であっても、一事業者の費用負担上限額 (補助金上限額)は合計で300万円となります。

【新型コロナウィルス感染症、ウクライナ情勢又は原油価格の高騰の影響について】
Q1-5における新型コロナウィルス感染症、ウクライナ情勢又は原油価格の高騰によって影響を受けて業況が悪化した事業者とは具体的にどういった要件ですか?

申請者は、以下1.のいずれかの影響によって業況が悪化しており、1.で定める比較対象時期において、2.のいずれかに該当していることが要件となります。

【1.業況悪化の要因→比較対象期間】

  • 新型コロナウィルス感染症→2018年12月以降のいずれかの月を含む同期。
  • 原油価格上昇をはじめとした原材料・エネルギーコスト増の影響又はウクライナ情勢の変化→2021年2月以降のいずれかの月を含む同期。

【2.影響度合い】

  • 最近1ヵ月間の売上高又は過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高が5%以上減少。
  • 最近※における売上高総利益率又は売上高営業利益率が5%以上減少。
    ※①直近の決算と比較対象時期のいずれかの期の決算との比較、②最近の試算表 (2ヵ月以上のもの)と比較対象時期のいずれかの期の同期の試算表との比較、③最近の試算表(2ヵ月以上のもの)と比較対象時期のいずれかの期の決算との比較のいずれかで、5%以上減少。

【金融機関の定義等】
主要金融機関 (メイン行、準メイン行)とは借入金の多少で判断するのですか?

 主要金融機関 (メイン行、準メイン行)であるかどうかは、形式的な判断ではなく、実情に応じて判断されます。

【利用申請時の面談実施の有無】
申請の際には、中小企業活性化協議会に申請人本人が申請書を持参し、面談を受けなければなりませんか?

 申請書の提出は、中小企業活性化協議会にご持参いただくほか、郵送等でも構いません。ただし、申請人本人以外が申請書を提出した場合は、申請者に電話等で「本事業の利用」及び「費用負担」について意思確認を行います。
 また、利用申請時には申請者又は認定経営革新等支援機関に対して、面談又は電話等により、中小企業活性化協議会から計画策定における着眼点を説明します。案件の内容により中小企業活性化協議会が必要と認める場合は申請者の同意を前提に、面談にご協力頂くことがあります。

【利用申請に伴う必要書類について】
この制度を利用するためには、どのような書類を準備すれば良いのでしょうか?

下記のような書類が必要になります。

  • 記入書類

    ①経営改善計画策定支援事業利用申請書 別紙1
    ②申請者の概要 別紙1-1
    ③自己記入チェックリスト 別紙1-2
    ④業務別見積明細 別紙1-3

  • 添付書類

    ①履歴事項全部証明書 (商業登記簿謄本) (原本)
    ※個人事業主の場合は開業届又は確定申告書の写し
    ②認定支援機関であることを証する認定通知 (写し)
    ③認定支援機関ごとの見積書及び単価表 (自由書式)
    ④申請者の直近3年分の確定申告書 (写し)
    ⑤計画策定支援に係る工程表(ガントチャート) (自由書式)
    ⑥主要金融機関の確認書面 (自由書式)(原本)

【経営改善計画の内容】
経営改善計画とはどのようなものなのでしょうか?

 計画の策定においては、実務指針に沿い、実務指針の「収益力改善支援の実務と着眼点」、及び「ガバナンス体制の整備支援の実務と着眼点」に留意して検討されたもので、原則として以下の内容を含むものとなります。

  • 会社概要表 (株主、役員構成、役員との資金貸借、沿革等)
  • ビジネスモデル俯瞰図(グループ企業等がある場合は企業集団の状況を含む)
  • 経営課題の内容と解決に向けた基本方針
  • アクションプラン(各経営課題の解決のための具体的な行動計画)及び伴走支援計画(計画内容に応じた期間(原則3年程度))
  • 貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等の計数計画
  • 資金繰表(実績・計画)
  • 金融支援の依頼内容(条件変更、融資行為等)
  • 資産保全表
  • その他必要とする書類

 現状分析にあたっては、ガバナンス体制の整備面も確認する必要があります。問題がある場合は経営課題として解決策及びアクションプラン等を検討し、その実行を計画に織り込むことが推奨されます。

【計画策定支援に伴う具体的な業務】
計画策定支援とは具体的にはどのような業務ですか?

 経営改善計画は、Q1-10の内容を含むとされており、これらの策定においては、実務指針の「収益力改善支援の実務と着眼点」、及び「ガバナンス体制の整備支援の実務と着眼点」に沿った支援を行うことが求められます。

 これらの着眼点の検討は、事業者の規模・業態等を勘案して、必要に応じて実施していただくこととしますが、計画手続きにおいて、各着眼点実施の有無、及び実施していない項目等についてはその理由等を支払申請時に報告していただきます。

 計画策定支援を進めていく上では、経営者と認定支援機関が、対話と傾聴を基本姿勢とし、ローカルベンチマークや経営デザインシート等を活用しながら、経営者が「腹落ち」できる取組を模索していくことが望ましいと考えられます。

 また、事業者の経営課題が高度化・多様化する中(デジタル・DX、知的財産、デザイン等)で、適切な連携先を見出しづらい場合は、ワンストップ相談窓口としての「よろず支援拠点」に相談し、専門家からの助言を受けることに加えて、外部専門家等に橋渡ししてもらうことも重要といえます。

【ガバナンス体制の整備支援の内容と目的】
ガバナンス体制の整備支援は、具体的にどのような内容で、何を目的に行うのですか?

 ガバナンス体制の整備支援は、実務指針に沿って、(ⅰ)現状把握→(ⅱ)課題明確化→(ⅲ)対応策の検討と事業者へのアドバイスのステップで支援を行うものです。

 足下の収益力改善だけでなく、事業者が、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現させ、思い切った事業展開等の前向きな投資を行うために、規律ある経営体制を整えていくことを目的としています。また、平時にあっても有事に陥ることを防止し、仮に有事に陥った場合でも金融機関との信頼関係により円滑な支援検討を可能とし、または、個人保証なしに融資を受けるためには収益力改善に加えて、経営の透明性確保等のガバナンス体制の整備が求められています。

 支援にあたっては、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」や「経営者保証に関するガイドライン」に示されている内容等を踏まえて、事業者と認定支援機関が目線を合わせながら取り組んでいくことが望ましいと考えられます。

 目線を合わせる補助資料として、「ガバナンス体制の整備に関するチェックシート」を活用して、達成状況の確認や協議会との意見交換を行うことも有用と考えられます。

【支援の対象】
ガバナンス体制の整備支援は、全ての先に対して行う必要がありますか?

 全先を対象としています。経営改善に取り組むにあたり、情報開示等による経営の透明性確保は最低限整備すべき項目であり、情報開示等の内容の適時性・適切性や正確性、法人個人の資産等の分別管理ができるような「内部管理体制」を構築することは重要な観点であるため、支援にあたっては、現状分析の一環として、ガバナンス体制の整備状況についての現状把握及び課題明確化を全先に対して行ってください。

【伴走支援(モニタリング)費用支払申請の有効期限】
伴走支援 (モニタリング) 費用の支払申請に有効期限はありますか?

 伴走支援 (モニタリング)費用支払申請の有効期限は、伴走支援対象期間最終日 (計画策定後3年を経過した最初の決算日)から6か月を経過した日です。それまでに伴走支援 (モニタリング)費用申請の提出がないとき、利用申請は失効します。

【経営者保証の解除支援:対象となる計画】
どのような経営改善計画が対象ですか?

 本事業により策定した金融支援を伴う経営改善計画を対象とし、計画完了後に経営者保証解除を目指す計画が対象です。

【経営者保証の解除支援:金融機関交渉の内容について】
本事業では、経営者等の個人保証(経営者保証)の解除に関する金融機関交渉費用を支援対象としていますが、具体的にはどのような業務を行えばよいのですか?

「経営者保証に関するガイドライン」における「既存の保証契約の適切な見直し」に関する取り組みを想定しています。

http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/guideline.pdf

【経営者保証の解除支援:支払い対象者及び上限金額について】
金融機関交渉費用の支払い対象者は誰ですか? また、上限金額10万円は金融機関交渉費用として少額ではありませんか?

 金融機関交渉費用の支払い対象は、利用者の依頼を受けた認定支援機関である弁護士等です。事業者自身が金融機関交渉を実施する際のサポート業務も対象となります。弁護士以外の専門家がサポート業務を実施する場合、非弁行為とならないようにご注意ください。また、上限金額の設定はありますが、経営者保証の解除支援を促すものです。

【経営者保証の解除支援:金融機関交渉費用の支払申請手続について】
経営者等の個人保証 (経営者保証)の解除に関する金融機関交渉費用を活用した場合、支払申請はどのように手続をすればいいのでしょうか?

 伴走支援費用支払申請と同時に申請をしてください。

【中小企業活性化協議会が費用負担した金額の返還について】
利用申請書の宣誓事項に違反した場合や、不正利用が判明した場合は、中小企業活性化協議会に費用負担した金額の返還等を行うこととなりますが、具体的にはどのようなケースが該当しますか?

以下のようなケースが考えられます。

  • 宣誓事項において適正な情報開示や費用支払、業務内容等の確認への対応、伴走支援(モニタリング)の実施と報告等が定められていますが、これらが行われない場合。
  • 申請書の記載に虚偽があった場合。

【第2部 ガイドラインに基づく計画策定支援】

1.事業概要

 事業者が、認定支援機関(計画策定支援等を担う外部専門家、調査報告書の作成等を担う第三者支援専門家)の支援を受けつつ、ガイドラインに基づく計画を策定する場合において、その経営・財務及び事業の状況に関する調査分析(以下「DD」という。)を実施するにあたり必要な費用、計画策定費用及びその後の伴走支援費用について、その3分の2(上限700万円(DD費用等上限300万円、計画策定支援費用上限300万円、伴走支援費用上限100万円))を国が負担する事業です。

※ガイドラインに基づく計画策定の具体的内容や手続きの流れについては、一般社団法人全国銀行協会のホームページをご参照ください。

2.事業の目的

 2022年3月4日に公表された「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」(中小企業の事業再生等に関する研究会、事務局:一般社団法人全国銀行協会)の活用を促進することにより、令和2年以降の新型コロナウィルス感染症拡大の影響に伴い増大する債務に悩む中小企業者の事業再生等を支援し、民間による事業再生等の支援の普及促進を図る。

3.対象事業者

 第1部経営改善計画策定支援と同様です。

4.DD・計画策定支援・合意形成

  • 外部専門家は、ガイドラインに従い、事業者に対するDD、ガイドラインに基づく計画策定支援及び金融機関等の主要債権者との合意形成に向けた支援を行います。
  • 第三者支援専門家は、ガイドラインに従い、手続及び計画案の検証、DDや計画策定の過程における事業者・外部専門家・主要債権者との協議・検討、調査報告書の作成、並びに調査結果の口頭報告等により、合意形成を支援します。

「ガイドラインに基づく計画策定支援」 よくあるご質問 (FAQ)

【本事業の目的】
経営改善計画策定支援事業 (ガイドラインに基づく計画)の制度目的は何ですか?

 2022年3月4日に公表された「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」(中小企業の事業再生等に関する研究会、事務局:一般社団法人全国銀行協会)の活用を促進することにより、令和2年以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い増大する債務に悩む中小企業者の事業再生等を支援し、民間による事業再生等の支援の普及促進を図ることです。

【対象となる費用・業務】
この制度において支援の対象となる費用はどうなっているのでしょうか?

 認定経営革新等支援機関 (計画策定等を支援する外部専門家、第三者支援専門家)によるガイドラインに基づく事業再生計画又は弁済計画策定の支援に係る費用 (DDを実施するにあたり必要な費用、計画策定支援費用及び伴走支援費用)の3分の2 (ただし、上限700万円、消費税込み)以内です。

 ただし、上限700万円のうち、DD費用等の上限を300万円、計画策定支援費用の上限額を300万円、伴走支援費用の上限額を100万円としています。

 なお、上限額700万円は、1案件に対するもので、外部専門家と第三者支援専門家が必要額を分けて活用するものです。

【支援対象事業者】
事業者について、中小版GL枠の対象となるための条件はあるのでしょうか?

 第1部経営改善計画策定支援と同様です。(Q1-2参照)

 ガイドラインの対象者の条件とは異なる場合がありますので、注意してください。

【対象とならない計画等】
中小版GL枠の対象とならない計画などについて教えてください。

 例えば、以下の場合は、中小版GL枠の対象にはなりません。

 なお、利用申請時に、本事業の対象となる可能性がある場合は利用申請は妨げられませんが、結果として対象とならなかった場合には本事業の支払を受けることはできず、支払われた後に判明した場合は返還する義務を負う可能性があることに、ご注意ください。

①手続又は計画内容が、ガイドラインの要件を満たさない場合。
(例) 再生型私的整理手続において、計画内容がガイドラインの数値基準 (第三部4 (4) ①ロ~ニ及び②参照)を満たしていない場合

②金融支援の内容として、債務返済猶予(リスケジュール)、債務の資本化(DDS)、デッド・エクイティ・スワップ(DES)、債務免除(債権放棄)のいずれかが具体的かつ確定的に定められている計画でない場合。

③廃業型私的整理手続の計画において、既存債権全額の弁済が可能となった場合。

④経済合理性の判定において、本事業に基づく協議会からの支払額を加味しなければ、経済合理性が満たされない場合。

【複数回利用についての取扱い】
本支援を複数回利用することは可能でしょうか?

 原則として複数回利用することはできません。

 ただし、新型コロナウィルス感染症、ウクライナ情勢又は原油価格の高騰等によって影響を受けて業況が悪化した事業者、又は抜本的な再生(DDS、DES、債権放棄)や廃業のために計画策定が必要となる事業者については、過去に本事業(通常枠又は中小版GL枠)を利用していても、その後に本事業を利用することを認めています。

 この場合、過去の事業利用時における協議会の費用負担実績を引き継ぎます。よって、複数回の利用であっても、一事業者(グループの場合含む)に係る協議会の費用負担上限額(補助金上限額)は、過去利用分とその後の利用分の合計で700万円(ガイドラインに基づく計画策定支援の上限額)であり、それぞれの費用ごとに過去利用分と今回利用分を合計して1案件分の上限まで利用可能です。

 また、過去に早期経営改善計画策定支援事業を利用した事業者については、原則として同事業利用時の費用負担実績は引き継ぎません。ただし、伴走支援の実施機関に中小版GL枠を改めて利用する場合は、伴走支援の終了に伴う場合を除き、1事業者の費用負担上限額は当該早期経営改善計画策定支援利用時の費用負担と合計して700万円となります。

【再生型私的整理手続と廃業型私的整理手続】
ガイドラインに基づく手続としては、再生型私的整理手続と廃業型私的整理手続がありますが、どちらの手続が本事業の対象となりますか?

 再生型私的整理手続と廃業型私的整理手続のどちらでも、本事業の対象となります。利用申請書及び支払申請書に再生型私的整理手続と廃業型私的整理手続のうちいずれであるかを明記してください。

 なお、利用申請時はガイドラインに基づく再生型私的整理手続の想定だったが、結局、ガイドラインに基づく廃業型私的整理手続に移行して計画が成立したという場合(またはその逆の場合)でも、本事業の利用は妨げられません。

【利用申請の時期・方法】
ガイドラインに基づく手続を行うにあたって、本制度の利用をしたいのですが、まず、いつどのような申請をすればよいのですか?

 外部専門家及び第三者支援専門家が本制度を利用するには、まず、本制度の利用申請を、なるべく当該外部専門家又は第三者支援専門家が本ガイドラインに基づく計画策定支援に着手する前に、行うことが望ましいです。外部専門家及び第三者支援専門家は、協議会からの委嘱への承諾前(委嘱承諾書の日付前)に行った業務については、支払申請の対象とならないことに留意してください。

 また、第三者支援専門家が本制度を利用する場合は、個別案件の第三者支援専門家に就任した後、速やかに利用申請を行うことが望ましいです。(「一時停止の要請」より後でも構いません。)。

 なお、利用申請の有効期限は、申請が受理された日から2年を経過した日までです(なお、特段の理由があれば有効期限の延長を受けられる場合があります。)。また、関与時期がどんなに遅い専門家でも、利用申請は計画成立前までに行われることになります。

【利用申請書の名義】
利用申請書の名義は、認定経営革新等支援機関の単独名義にすることはできますか?
また、1案件に複数の外部専門家、第三者支援専門家がかかわる予定ですが、全員の連名にする必要はありますか?

  利用申請の名義は、事業者と認定経営革新等支援機関との連名でなければなりません。

 また、1案件に複数の外部専門家や第三者支援専門家が関わる場合であっても、各認定経営革新等支援機関が個別に、事業者との連名で申請書を提出することも可能です。

 他方、この場合であっても、1案件に関する複数の認定経営革新等支援機関が事業者と連名で申請することも可能です。その際、協議会との申請・連絡の窓口 (代表認定計画新等支援機関)を定めることができます。

【利用申請に伴う必要書類について】
利用するためには、どのような資料を準備すれば良いのでしょうか?

 次の書類が必要になります。

  • 申請書類

    ①経営改善計画策定支援事業(ガイドラインに基づく計画)利用申請書 別紙(1) (注)
    ②申請者(事業者)の概要 別紙(1)-1 (注)
    ③自己記入チェックリスト 別紙(1)-2 (注)
    ④業務別見積明細書 別紙(1)-3 (注)

  • 添付書類

    ①申請者の履歴事項全部証明書 (商業登記簿謄本・原本)
     ※個人事業主の場合は開業届又は確定申告書の写し
    ②認定支援機関であることを証する資料 (写し)
    ③認定支援機関ごとの見積書及び単価表 (自由書式)
    ④申請者の直近3年分の確定申告書 (写し)
    ⑤計画策定支援に係る工程表 (スケジュール表等) (自由書式)
    ⑥主要金融機関の確認書面 (原本)又は一時停止の要請 (写し) (自由書式)

(注) これらの書式等については、中小企業庁のHPを参照ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/index.htm

【中小版GL枠活用時において、外部専門家が認定経営革新等支援機関ではない場合】
ガイドラインに関与する外部専門家の一部が認定経営革新等支援機関ではない場合の手続はどうなりますか?

 利用申請時に把握しているガイドラインに関与する外部専門家及び第三者支援専門家が、認定支援機関であるか否かにかかわらず、利用申請書に氏名等の記載をしてください。なお、認定経営革新等支援機関でない外部専門家による業務は本事業の支援対象とはなりません。

【複数の外部専門家・第三者支援専門家が同時に利用申請できない場合の申請方法】
1案件に複数の外部専門家・第三者支援専門家が関わる見込みですが、一部の外部専門家や第三者支援専門家が未定の段階でも、すでに決まっている外部専門家は利用申請を行うことができますか?
また、全員が同時に利用申請することが難しい場合、どのようにすればよいですか?

 可能です。その場合は、利用申請時においてすでにガイドライン手続に関与が決定している外部専門家及び第三者支援専門家のみについて情報をご記載ください。

 また、当初は利用申請していなかった外部専門家や第三者支援専門家が、後から本制度の利用申請をすることは妨げられません。後から申請を行う認定経営革新等支援機関の利用申請は、先行している利用申請に係る追加的な利用申請という扱いになります。

 この追加的な申請も利用申請ですので、申請者(事業者)との連名で申請する必要があり、また、利用申請の期限(遅くとも計画成立前)までに行う必要があります。また、後から本制度の利用申請をした認定経営革新等支援機関の業務のうち、本制度の対象となるのは、その者自身が協議会からの委嘱に承諾した後の業務のみです。

【ガイドラインに基づく計画の内容】
本制度の利用のためには、ガイドラインに基づく計画はどのような内容である必要がありますか?

 ガイドラインの定めに則った計画である必要があります。
詳しくは、ガイドライン事務局(一般社団法人全国銀行協会)の「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」及び「中小企業の事業再生等に関するガイドラインQ&A」を参照ください。
http://www.zenginkyo.or.jp/news/2022/n030401

【計画の水準】
ガイドラインに基づく計画とはどのような内容ですか? 数値基準等はありますか?

 計画の内容や数値基準については、ガイドラインの「〈第三部〉中小企業の事業再生等のための私的整理手続」をご参照ください。

【計画策定支援に伴う具体的な業務】
計画策定支援とは具体的にどのような業務ですか?

 計画策定の進め方や具体的な業務については、ガイドラインをご参照ください。

【支払申請に伴う必要書類について】
支払申請書には、どのような資料を準備すればよいですか?

次の書類が必要になります。

申請書類 (注1)

  • 経営改善計画策定支援事業(ガイドラインに基づく計画)費用支払申請書 別紙 (2)
  • 自己記入チェックリスト 別紙 (2)-1
  • 業務別見積明細書 別紙 (2)-2
  • 従事時間管理表 別紙 (2)-3
  • 経営改善計画策定支援事業(ガイドラインに基づく計画)の補助額の調整報告書 別紙 (2)-4 (注2)

添付書類

  • DD報告書、ガイドラインに基づく計画、調査報告書 写し
  • 申請人と認定経営革新等支援機関が締結するガイドラインに基づく計画策定支援に係る契約書等 写し
  • 申請者による費用負担額(3分の1)の支払を示す証憑類(振込受付書、払込取扱票等) 写し
  • 対象債権者が発出するガイドラインに基づく計画についての同意書(同意確認書を含む。) 写し (注3)

(注1) 別紙 (2)の一連の書式等については、中小企業庁のHPを参照してください。
https://www.chusho.meti.go.jp/kakushin/kaizen/index.htm

(注2) 必要に応じて提出してください。

(注3) 対象債権者がガイドラインに基づく計画について同意したことを確認できる書面であれば代替可能です。

【計画策定支援費用の一部の支払が留保される場合の例外】
「協議会は、支払申請の確認結果、支払決定額及び支払予定日について、各認定経営革新等支援機関に通知し、経営改善計画策定支援に係る費用 (消費税込み)の3分の2 (利用申請時の計画策定費用を上限)を確定します。ただし、支払決定額の2分の1を伴走支援 (モニタリング)が実施されるまで、中小企業活性化協議会に留保します」とされていますが、ガイドラインに基づく計画の場合、例外はありますか?

 以下の場合、例外的に初回の伴走支援費用支払決定を待たず、留保額が支払われます。
①複数の認定経営革新等支援機関が関与する場合、かつ一部の認定経営革新等支援機関が伴走支援を実施する場合の、当該伴走支援に関与する予定のない認定経営革新等支援機関に対するDD費用及び計画策定支援費用は、支払申請時に全額が支払われます。
②第三者支援専門家として関与した認定経営革新等支援機関に対するGL上の業務にかかる費用については、支払申請時に全額が支払われます。
③認定経営革新等支援機関が伴走支援に着手することが出来ない場合で、申請により、その理由が合理的と判断された場合は、留保した金額が支払われます。

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